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プライベートクラウドとアップリンクキャリア冗長

川崎市からニュースリリースが出てたのでアップリンク冗長化しなければいけない理由がよくわかると思います。 日夜行われている道路工事。ショベルカーが掘り出すのが土砂だけだといいのですが、中には道路に埋設されている水道管やガス管、そして通信会社の回線までもグサっとやってしまう事が多々あります。

等々力陸上競技場メインスタンド改築工事によるNTT回線の切断について

http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/500/0000049779.html

フレッツ光170回線はご愁傷様でしたが専用線5回線の方は返金対象になるだろうし賠償になる場合もあります。

こういう事故はデータセンター屋さんからすると「想定内」の事故なので、データセンター運営者は上位回線(アップリンク)を冗長化して上位ノード(ISPやIXなど)に接続しています。でも同じ事業者の回線で冗長化しているとこういう事故には対応できません。例えばデータセンターの目の前の道路でグサっとやられると、データセンターから最寄りの収容局(大抵はNTT東西の回線が使われます)までは同じ経路を通ることになるので、全ての回線が漏れなく停止し一斉にアラームが鳴る(監視サーバは遠隔地にあることが多いです。もし監視装置がDC内にあるとこういう事態にアラームが鳴らず、設計者は後に障害報告書と改善報告書を書く特典が与えられます)という運用者が絶対に見たくない光景を体験する事態になります。 これを防ぐためには異なる物理経路で別々の収容局にアップリンク回線を引くことが必要になります。つまり回線事業者冗長を行うためにNTTの他にKDDIやソフトバンク、KVHなどの自前でファイバーを敷設している事業者回線を使わねばなりません。NTT東西のダークファイバーを借り受けてサービスを提供している事業者とNTT東西のサービスでは回線冗長にならないのです。 同じことは県間通信の長距離回線や海外トランジットにも言えます。

最近はクラウドばやりで言葉すら影が薄いデータセンターですが、プライベートクラウドと名を変えてまだまだ生き残る気配であります。そんなプライベートクラウド選定の際にはぜひともアップリンクのキャリア冗長を状況を確認してみてください。未対応だった場合には即刻検討から外してもよいレベルですから。