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富士山登山鉄道の可能性とマーケティングの可能性

鉄ネタの振りをしたマーケティングネタです。
山梨側の富士スバルラインに鉄路を敷いて東京都心と富士山五合目を結ぶ列車を走らせる検討だそうです。

環境破壊だ!云々という人は先ずグリンデルワルトやツェルマットの山岳観光地を見て来て下さい。あれは聞くのと見るのでは感じ方が変わります。
さて、鉄ッちゃんが気にするのは「ここ列車が上れるのか?」という点です。山麓の富士山駅が標高800mで山梨側の富士山五合目は2300m、その差1500mを登る事になります。富士スバルラインは全長30kmですから平均で50‰。1000m進む毎に50m登る計算です。これは平均値なので部分的な最急勾配は80‰近くなると考えられます。過去には碓氷峠のような63.3‰なんて急勾配もありましたが、あれは機関車2両もくっ付けて強力な出力とブレーキ力があったからこそ為せるワザで粘着式では東京メトロの40‰が一般的です。そうするとただでさえ雪や氷で滑り易い環境に敷設する訳で富士スバルラインだけでは済まず10〜20km追加した全長40〜50kmの経路が必要になってくるんですね。
でも悲観するばかりではなくて旧碓氷峠アプト式を使ったように山岳区間だけリニアモーターを併用する案があります。大江戸線では推力にリニアモーターを使っていますが、あれは推力だけでなく吸着力も稼げるので登り下りを余儀無くされる最近の地下鉄に向いています(一番のメリットはパンタグラフが不要になりトンネル断面積が小さくなる=建設費が抑えられる事です)。
LIS、LMSと技術は全然違うものなんですがリニアモーターといえば悲しいかな山梨県民は必ず食いついて来ます(笑) 県庁や観光事業者は100%食いつきます。嫌らしい話なんですが知識の乏しい人をその気にさせる方法もマーケティングの役割の一つだと私は思っています。これは食品で行われた偽装や虚偽ではなく連想想起に基づく科学です。